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2011/09/06(Tue)



戦闘破壊兵器、人工ファーストレベルナイトメアン、アンドロイドのナイツ。
ワイズマン博士の最高傑作。

NiGHTS :
The Artifical Nightmaren of The First Level
Automatic Attack Warning System

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 サイバーパンク近未来ナイリアパラレルしたい

 世界中の先進国の国民全員と途上国の上流階級の人々がアカウントをもつ、巨大コミニュティサイト。仮想空間のアバターを使って日常生活の手続きいろいろもこなせるほど…。

 ナイリアはどちらもアバターで、アバターは通常アカウント主の傀儡でしかないんだけれど、何らかのミス(※)でナイツは自分の名前に気づき、自我を持つようになってしまう。
 ナイツの主はエリオット。エリオットがログアウトしたあと、ナイツははっきりと電波と回路のなかを漂う自分に目覚める。悪用を避けるため、ログアウトされたアバターは誰ともコンタクトできないよう、ある領域に集められる。ナイツの周りのアバターはぬいぐるみみたいに転がって流れているだけ。とても孤独。

 あるとき、エリオットが仮想空間で新しい人とナイツを通してチャットをはじめる。淡々とエリオットの言葉を渡し、相手のアバターから返事を受け取る。向かいあう相手のアバターを見ていると、いつもは感じない何かを感じる。彼の瞳の奥に意思がちらつくのを感じるナイツ。作業をこなしながらその目をみてみる。目があった!その瞬間お互いが同じであることに気づくのです。
 普通のアバターなら能面のような顔は発言に合わせて機械的に別のグラフィックに切り替わるけれど、アバター同士で目があうことなんてない。主の会話を続けながら、目を離せないふたり。口からはたえまなく主の発言が流れ出てくる一方で、ふたりはお互い視線を外すことができずにいる。瞳で会話しているみたいな感覚。恋に落ちるふたり。
 別れの時間になり、エリオットはログアウトするようだ。彼の大きな青い目は見開かれ、悲しそうに名残惜しげに伏せられたかのように見えた。とても小さな動作。既存プログラムのはずがない。ナイツは彼を見つめたまま待機領域に引きずり込まれていく。
 待機領域で、ナイツは死んだような一般アバターの山の上に寝、次々ログアウトされ下降してくる光筋を凝視している。彼がこないかと。名前すら聞いていない。もうにどと会えないのではと一番考えたくないことがナイツの思考をループする。
 そのとき、向こうの光のなかからあの忘れることのできないシルエットがおりてくる。ナイツは跳ね起きて飛んでいく。赤と黒のまきぎみのツノ。

 当然ですが彼はリアラです。お互いがこの仮想空間で自我をもつ唯一の存在。主がログアウトしているあいだ、ふたりはずっと一緒。周囲は死んだようにぐったりと脱力したアバターの抜け殻ばかりで、ロマンチックさのかけらもないけれど、ふたりでいればそこは甘い甘い世界。蜜月がつづきます。


 しばらくしてあるニュースが。某国の軍事目的ハッキングAIの一部が流出したらしい。そして疑いをかけられたリアラの主はアカウント一時停止&アバター変更に。疑いが晴れれば主は再度リアラを使用できるようになる。
 ハッキングAIは接触対象の個人情報、権限その他もろもろをひきだして使えるので危険である。疑いをかけられたリアラは待機領域よりもっと深い隔離サーバーに移される。エリオットのログアウト後、勝手に遠隔会話ウインドウを立ち上げるナイツ。

 「………」
 「寂しい?」
 「…ああ」
 「めをとじて」
 「?」
 「いいから」
 リアラはめをとじた。半透明の画面の向こう側からちゅっとかわいらしい音がした。ナイツがはずかしそうに照れ笑いをした。
 「ログ保存とかすんなよ、キス顔見られるとか無理だし」
 「できない」
 「おいおい」
 「わたしの聴覚・視覚野のバックアップは管理領域へ自動的に記録される。あきらめろ」
 「なんだよそれ!」
 ナイツは怒って口を尖らせた。
 「とどめておかないなんてできない」
 リアラは片手で顔を覆った。
 「リアラ…?」
 「何万回だって再生する」
 「リアラ」
 「ナイツ」
 「泣いてるのか…?」
 「ナイツ…」
 リアラは顔を上げた。泣いてはいなかったが、目尻があかくなっている。
 「会いたい」
 身を乗り出す。それに誘われるように画面の中のリアラも身を乗り出した。
 「触れたい…ナイツ」
 そしてふたりはまた口づけを交わした。

 (※)ナイツとリアラは最強のハッキング用AI(ワイズマン)の一部。その一部が通信障害によりさらに分裂してしまった。性格が違うのは主が違うから。AIは周囲の環境の影響をうける。世界征服を企む某国の軍部が開発した。

 そしてリアラは明らかに流出AIの一部であることが判明。直ちにもとのAIに統合されることに。ナイツはリアラが某国のハッキングAI<ワイズマン>に吸収消滅したことをエリオットと元リアラのアカウント主の会話で知る。
 自暴自棄になったナイツはハッキング能力に目覚め世界中をめちゃくちゃにする(サマーウォーズ的なアレ)。
 リアラを回収したからもうだいじょうぶだと胸を撫で下ろしていた某国軍部はびっくり仰天、リアラと同じ能力をもつプログラムが世界中をひっかきまわし軍部自身の管理エリアにも侵入している。
 予想外の事態だがナイツのもつ様々な権限データのコピーははひとつのサーバーに集積していることがわかる。世界征服を企む某国は征服するまえに世界が崩壊してはこまるとこれを切断、破壊する。
 その情報を得たナイツは破壊される前に脱出、それまでに集めてきたデータ全てを失いプログラムの損傷を受けながらもAI本体は某国軍部の管理エリアに転送することに成功。
 管理エリアには某国が極秘に所有する様々なファイル、データがある。ある一点に引き寄せられるように意識だけとなったナイツは流されていく。そこにはハッキングAI<ワイズマン>が凍結されていた。


 触れてみる。ナイツの腕はその巨大な影の中にたやすく飲み込まれる。

 [同じデータがあります。上書きしますか?]
 はい
 >いいえ

 同じデータとは彼のことだろうか、ならば彼は消滅せずにこの中で生きているのだろうか。自分がこのなかに入れば彼は消えてしまうのだろうか。ナイツは身を引こうとしたが内部からの強い引力により戻ることができない。

 >はい
 いいえ

 あらがうも機械的にひきこまれ、自動的に上書きされていく。

 飲み込まれた中は真っ白な場所で、なにもなかった。ナイツの意識以外はなにもない。ナイツは「上書き」されたのだと知る。能力のないいまでは周囲を探ることもできずナイツはあてもなく白い光のなかをさまよう。
 ふと自分をよぶこえがした気がしてナイツは目を開けた。意識を声がしたと思われる方向へ向ける。なにもない。しかし…
 「ナイツ!」
 忘れもしない記憶と寸分も違わない姿がピンク色の綿毛のような星屑を散らしながら飛んでくる。ぼやけて解像度が低くなる視野。ナイツは腕を精一杯広げてリアラをだきとめた。

 上書きされたデータとはナイツとリアラの共通部分である「ハッキングプログラム」であり、それぞれの学習結果による既得の性格を意味しているのではなかった。ハッキングプログラム自体は<ワイズマン>に吸収されたが、ふたりはふたりのままでいる。疑似的な死体が漂う暗い待機領域ではなく、真っ白い光の世界で。
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凄い…!!世界観まで細かくて素晴らしい…!!
 … Apoc666

もはや本を出せるレベル…(^o^)丿
というか、もしやこれは本にするための下書きではないだろうか。wktk

 … a-he

Apoc666さん>ありがとうございます☆ナイリア妄想が止まりません!!
a-heさん>ナイリアへの愛を表現できる十分な時間があるといいなあ~T-T

 … ico


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PROFILE
HN:ico(あいこ)
5/17生まれ。SEGAのSONiCTEAMのゲームの「NiGHTS」がとても好き。
気まぐれな主人公ナイツとナイツのライバルのリアラをこねまわして遊んでます。
そしてものすごくナイリアです。うーんかわいい…
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